メタン発酵バイオガス
利用事業

「バイオマス」は、動植物を起源とする
再生可能な有機性資源であり、
代表的なバイオマスには、木屑、間伐材、サトウキビ・トウモロコシ・ソルガムなどの農業未利用資源、
牛・豚・鶏の糞尿などの家畜排せつ物、家庭の生ごみ、
工場・スーパー・コンビニ等から排出される
食品残渣があります。
国内には未利用のバイオマスがまだ多く賦存しており、
化石燃料の代替エネルギー源、 バイオマス原料としての
利用が期待されています。
「バイオマス」のエネルギー利用には、
バイオマスを直接燃焼させる直接燃焼発電、
バイオマスからガスを抽出して燃焼させるガス化発電の
ほかに、バイオマスを微生物の力を利用して
分解してガスを発生させる
「メタン発酵バイオガス利用」があります。
バイオガスは、燃焼させても大気中の二酸化炭素量を
増加させないクリーンなエネルギーです。
この「バイオガス」を生産する施設が
「バイオガスプラント」です。

地産地消・循環型社会の形成

地産地消・循環型社会の形成イメージ図

「バイオガスプラント」は、原料槽、発酵槽、脱硫装置、ガスホルダー、ボイラー、コジェネレーションシステム(発電機)、固液分離機、貯留槽から構成され、家畜排せつ物・食品残渣等のバイオマス原料から不純物を除去後、原料槽、発酵槽に投入し、一定期間、一定温度で発酵することでバイオガスを発生させ、そのバイオガスを燃焼させて発電します。バイオガスは成分を調整することで、都市ガス代替や自動車燃料にもなりますし、発電時に生じる排熱・排温水を熱利用することも可能です。発酵後の残渣を消化液と呼びます。消化液には、窒素やリン、カリウム等の肥料成分が含まれ、液肥(肥料)として畑地や水田のほか、牧草地の肥料として利用できます。バイオガスプラントは、電力、ガス、熱、肥料と、さまざまな再生資源を生み出すことができます。

飼料作物複合利用による
メタン発酵バイオガス実証事業

飼料作物複合利用によるメタン発酵バイオガス実証事業イメージ図

2018年度 福島県地域復興実用化開発補助事業

  • 複数種類のソルガム/デントコーン試験栽培および収量調査
  • メタンガス収量調査
  • ソルガムサイレージ牛餌供与試験
  • 事業スキーム検討
原発事故被災地域での農業復興に向けたソルガム栽培の背景
  1. 除草のみを行う保全管理から継続的な農作物栽培による耕作管理への移行と土づくり
  2. 食用農作物が生産しにくい期間における資源循環型農業とエネルギーの連携事業
  3. 耕畜連携による双方の効率的な経営・収益率向上で、農業・畜産業の再生・振興

釧路市阿寒町における
メタン発酵バイオガス発電設備

釧路市阿寒町におけるメタン発酵バイオガス発電設備イメージ図
地域特性を反映したエネルギーの活用
メタン発酵バイオガスプラントの技術検討、酪農施設からのバイオマス資源となる
牛糞尿の安定的調達、原料の残りの液肥有効利用、家畜排せつ物臭気削減
⇒ 地域の魅力アップ、地域経済の活性化
平常時はバイオガス発電150kW分を自家消費とし、さらに49kW分は低圧のFIT売電、非常時においては配電線を通じて全量199kWをマイクログリッド内に供給
設備で発生する余剰熱は施設園芸の暖房に利用し、発酵残渣は再生敷料に利用

令和元年度畜産バイオマス
地産地消緊急対策事業

令和元年度畜産バイオマス地産地消緊急対策事業イメージ図
  • 鶏糞処理方法を堆肥化施設での好気性発酵処理からメタン発酵バイオガスプラントでの嫌気性発酵に変えることで、処理過程における臭気削減、労働環境の改善
  • プラントで発生するメタンガスを活用した発電により、農場内で自家消費または他農場へ自己託送しての電力地産地消
  • 固定価格買取制度を活用して電力を販売し、収益の改善
  • 鶏舎で使用する電力をできる限り排出された鶏糞由来の電力による自家消費とすることで、自給率の高い卵生産を実現